幸せの定義


  幸せの定義




「長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。注文のお品、これでよろしいでしょうか」
「すごい! 素晴らしいわアンディ。やはり貴方は天才ね。必ず私の心を奪うものばかり作ってくれるわ」
東街にある貴族の屋敷の一室で、アンディは出来上がったエメラルドのペンダントを手にとって見せる。
相手はこの屋敷の主、あと数年で40に手が届く貴族の奥方だがとてもそうは見えないほどの艶のある肌と美貌が自慢だ。
絡まる若葉をモチーフに惜しげ無く最高品質のエメラルドを使ったペンダントは豪華ながらもシンプルなデザインで、引き立て役に徹している。
「ねぇ。つけてくださる?」
「喜んで」
広い部屋にふたりきり。
奥方は自分の長く豊かな黒髪を持ち上げ、白いうなじをアンディに向けて差し出す。
アンディは後ろに回り、うやうやしくその細い首にペンダントをつけて「もういいですよ」と優しく手をとり髪を下ろすよう促した。
「とてもよくお似合いです」
テーブルの上に置いておいた大きなサイズの鏡を掲げて奥方の姿を映す。
そのとき、にっこり微笑む営業スマイルも忘れない。
「ありがとう。気に入ったわ」
奥方はうっとりと鏡に映った自分の姿を見つめ、エメラルドの若葉を撫でながらアンディに微笑み返した。
「代金はあとで家の者に届けさせるわ。もちろん、上乗せしてね。だから、ねぇ……」
アンディの持つ鏡を邪魔とばかりに取り上げテーブルに戻し、その見かけによらず厚い胸板に寄りかかる。
「奥様への私の心は、すべてそのペンダントに込めております。いつでも、貴方と共に」
奥方をやんわりと引きはがし、その前に片膝を着いて丁寧な礼をしたアンディは、つい奥方がその仕草に見とれてしまっているうちに踵を返し、さっきまでとは打って変わって素早い動きで部屋を後にした。



「あー、鼻が曲がるかと思った。なんで貴族ってやつはあんな臭いんだ?」
「アンディ、まだ門番がこちらを見ていますよ」
「聞こえやしないさ」
屋敷前で待っていたクロスと合流した途端、礼儀正しかった好青年は消え、嫌悪に顔をゆがめた素の姿に戻り悪態をつく。
高身長で燃えるような赤髪に緑の瞳をしたアンディは戦闘もこなす錬金術師らしく体も鍛えている。
アクセサリ作りが得意なため貴族の客が多かったが、その分色恋に奔放で金にあかして異性との情事を楽しむ奥様やお嬢様方にも目をつけられやすかった。
「それに香水は普通臭いとは形容しないものです」
「元が臭いから香水なんかで誤魔化そうとしてるんだろ。相乗効果で余計臭い」
「……わかりました。もうなにも言いません」
「そうしてくれ」
アンディと契約中の時のマナ、本来は普通の狼の倍ほどもある銀狼だが現在は人の姿をとっているクロスは主の口の悪さに大仰にため息をつく。
人や物の好き嫌いがはっきりしている分、態度もはっきり過ぎるほど変わる。ここまでくると二重人格と言っていいかもしれない。
「まぁいいや。午後はウルリカがお茶に来てくれる予定だし、いっぱい癒してもらおう」
最近のお気に入り、マナ誘拐事件で知り合った金髪の少女が来ることを思い出し、しかめっ面が途端にほころぶ。
「あぁ、そうでしたね。帰る前になにかお土産買っていきませんか」
「前から目をつけてる紅茶があるんだ。あれ買っていこう」
嬉しそうに言うアンディに、クロスも先ほどの会話を忘れて笑った。



(自然に笑えるようになるまで、どれだけの時間がかかったのだろう)
アトリエに戻ったアンディは上機嫌で作業机の前に座り、黄水晶のペンダントの制作に取りかかる。
先日偶然街中で出会った妖精さんになんとなく聞いたウルリカの誕生日が近い日付だったので、プレゼントするらしい。
コンテナの整理をしつつちらりと主を見ると、それに気づいたアンディが「どうした?」と笑顔で聞いてきた。
「あ、あの、研磨剤がもう数個しか残ってませんがどうしますか?」
「あれ? もうそんな使っちゃったか。切らしたらまずいな。明日にでも一緒に材料採りに行くか」
「いえ、フェストの採取場は近いですし、今から私がひとりで採ってきますよ」
「でも午後からウルリカが……」
「はい、だからです」
クロスの冷や汗の出てきそうな困った顔に「あー…」と察したアンディはニヤニヤとする。
「いいじゃんか。毛皮もふもふされるくらい」
「マナにも一応恥じらいというものがあるんです!」
「かわいい女の子に抱きつかれて顔すりすりされるんだぜ? オレならばっちこいだけどな」
「そのおっさん発言、気をつけた方がいいですよ。本当の年齢バレてもしりませんからね」
「バレてもいいけどね」
さらりと言われたその言葉にちょっと驚いてから「とにかく、行ってきます」と採取かごを持ち、「いってらっしゃーい」とひらひら手を振るアンディを残してアトリエを出る。
(バレてもいいなんて。アンディはいつか彼女に自分のことを話すつもりなのだろうか)
実は次の誕生日で119歳を数えること。
自分は厳密には人間ではないこと。
そして、本当の姿のことを。
(彼が誰かに話すことの出来る日を待っていたけれど)
しばらく歩いてから、一度アトリエを振り返る。主の居る場所を。
(彼女がその相手なら、きっとうまく行く気がする)
大好きで大切な主が化け物と罵られる姿を、考えずに済む。


「うー、目が痛い」
ウルリカが来る時間まではまだ間がある。
連日の彫金で疲れの溜まった目を揉みほぐし、腰を伸ばして首をならす。
「おっさんでいいじゃないか。実際、年だけ見たらおっさん通り越してジジィだし」
出かけ際のクロスの言葉を思い出し、そうひとりで愚痴った後、すっきりしようと洗面所に立つ。
冷たい水で数回顔を洗い、タオルを手に取った。
ふと前を見れば鏡に映る水をしたたらせた自分の姿。
「いつまで、このままでいるんかな」
100年前、アンディの時は止まった。
あの、山奥の小さな村で。








「アンディ、その青い液の入ったフラスコ取って」
「はい」
「頼んでおいたグラビ結晶と星の粉は?」
「出来上がってます」
「よし、いい子だ」
孤児のアンディはあるひとりの錬金術師に拾われ、育てられた。
山奥の清い水が出る泉の傍にある村にアトリエを構えていたその錬金術師の名はモナ・クレイトン。
モナは拾った幼いアンディを弟子として育て、アンディは拾ってくれたモナに気に入られるよう必死で勉強をした。
拾われたのは9歳の時。
工業都市の路地でボロ布にくるまりスリや窃盗をして過ごしていたアンディが、財布をすろうとして標的だったモナに腕を掴まれたのがきっかけだ。
『お前は運命ってやつを信じるかい?』
腕を掴まれ、驚いて見上げるアンディにニヤリと笑ってモナはそう言い、問答無用で村まで連れ帰った。
穏やかな村の住民はモナが「拾った」と言うアンディをなんの抵抗もなく受け入れ優しく接し、モナはモナで無理矢理アトリエに連れてきた後に「今日からお前は私の弟子だ」と宣言してその言葉通りにアンディに読み書きや錬金術を教えた。
誰にも虐げられることのない生活。
毎日の温かい食事、柔らかな寝床、自分に向けられる笑顔。
あまりにも唐突な生活の変化に戸惑ったものの、モナのマイペースで奔放な性格に振り回されている内にそれが日常になってしまっていた。
「お前、いつまでここにいるんだい」
「え?」
アンディが18歳のある日、アンディが入れた夕食後のミスティカ茶をすすりながら、モナが唐突に聞いた。
「いつまでって、先生。いきなりなんですか?」
荒かった言葉も、悪かった手癖もすっかり矯正されて好青年に育ったアンディはいつものごとく突然の師の発言に首をかしげる。
「アンディ。お前はもう一人前の錬金術師だ。今更あたしに教えを仰ぐことなどないだろう? もうここに居る意味はないはずだ」
「先生がいることが、オレがここにいる意味です」
「なに? あたしに惚れちゃってんの?」
「ち が い ま す」
ブルネットの髪と瞳を持つモナは確かに美人の域に入るだろうが、アンディにとっては母も同然だ。
「30も半ばのおばさんに興味はありませんよ」
「失礼な。気持ちはいつだって10代だ」
「それは精神年齢が子どもなだけです」
「口も達者に育っちまって。やだね、頭のいいガキは」
「頭も口も鍛えていただいて感謝してますよ」
「ふんっ」
腕は一流だったのに性格はまるで子どもだったモナ。
「でもそうですね。オレはまだ先生に教えて欲しいことがあります」
「?」
我ながら上手くできたと茶菓子のクッキーに満足しながら、ずっと気になっていたことを口にする。
「そろそろ地下の施設でなにをやっているか、教えてくれてもいいんじゃありませんか?」
「そりゃだめだ」
存在を知りながらずっと立ち入りを禁止されている地下への扉。
床にあるその扉の先にもうひとつのアトリエがあることはわかっている。
しかし一度もそこでの研究の内容を話してもらえたことはなかった。
「なぜ」
「お前が言いつけを守ってあの先へ行こうとしないのは感謝している。あれはあたしが自分の為にしているあたしだけの研究だ。見せるつもりはないよ」
「ケチ」
「あん?」
「なんでもありません」
すました顔で残りの茶を飲み、食器を片付け始める。
地下施設に興味はあったがそれ以上にモナが大切なアンディは、きちんと許可が出るまでその扉に手をかける気は無かった。


死病が突然村を襲ったのはその冬の終わり。
山は雪が降らずに乾燥し、凍り付くような冷たい風が絶え間なく吹き付けていた。
「ダメです先生。下の村もやられてます。村の外に同じ症状の遺体が……」
「進行が早すぎる。このままじゃ全滅だ!」
山を下り、別の村の様子を見て帰ってきたアンディが外套を脱ぐのももどかしく報告すると、モナは苛立ちを露わにテーブルを叩いた。
「どの書物にも載っていないしエリキシル剤も、多少痛みを和らげるしか効果がない」
どこから持ち込まれたのかなにが原因かもわからない。
その病は罹患するとすぐに結膜炎と同じ症状が出て白目の部分が赤く染まる。
数時間後には出血が増えて血の涙を流し、三日後には体中の痛みを訴えながら大量の吐血と共に死を迎える。
最初の発病者が出てからたった一週間で村の住人の半分が死んだ。
村はずれにアトリエを構えているふたりはまだ無事だったが、村人達を助けるために走り回ればすぐに同じ結果になるだろう。
病が発現してすぐに下の村へ様子を見にやられたアンディは自分も師と共に少しでも村人の助けになるべく、薬棚に向かおうとするが、その前にモナに「来るな!」と怒鳴られた。
「お前はまだ発病した村人に直接接していないし、その様子だと下の村も外からうかがっただけで入っていないんだろう。こっちへ来るな」
確かに下の村は入らずとも病の蔓延がわかるほどの惨状だったが、意味がわからない。
「先生、なんで」
「お前はこのまま山を降りろ。発病していない土地まで誰にも会わずに行くんだ。そうすれば、死なずに済むかもしれない」
「何言ってるんですか! 空気感染かどうかさえわかっていないんですよ。そんな状態で他の土地になんていけません。それに、世話になったこの村を捨てるなんてできません!」
「お前を死なせたくないんだ」
「オレだってあんたを死なせたくない!」
本音を吐き出して、アンディはずかずかとアトリエに入る。
「だから、原因を探しましょう。今治療法を見つければ、間に合う人もいるはずです」
「そうか、そうだな。馬鹿な事を言った。すまない」
「いえ、オレも強く言いすぎました」
つい昔の言葉遣いに戻ってしまったことを恥じて、アンディは患者から採った血液サンプルの顕微鏡を覗いた。


しかしふたりの努力もむなしく死者は増え、治療法の無いまま無情に時は過ぎる。
それからまた三日過ぎた頃には更に半分の村人が死に、人工は四分の一まで減っていた。
「原因が、やっとわかったっていうのに……」
血液中には無く、人間の血管を形成する細胞にだけ寄生するウィルス。
新型だが、そのDNAから昔から存在する出血熱ウィルスの突然変異だということがわかった。
そこで出血熱のワクチンをつくって見たがまったく効果はなく、型にあわせて改良したワクチンを作るにしても三日で死ぬ病気に対して時間がかかりすぎる。
「とにかく、それでも作らないと」
なんの資料もなくほぼ一から作ることになるため最低でも数週間はかかるだろう。
それまで生き残っている人間がいるのか。
少しの希望だろうとある限り進むしかない。
「まず献体を遠心分離器に……」
「アンディ!!」
「え?」
モナの悲鳴のような叫びに動きを止めたアンディの目は、赤く血の色に染まっていた。



そこからアンディの記憶は欠落している。
次に覚えているのは暗い部屋と土の壁。
激しい筋肉痛とだるく重い体に苦労しつつも起き上がり、見渡す知らぬ場所。
(地下……?)
アトリエ、そして村でもアンディの知らぬ場所など無い。
あるとすれば入るのを禁じられていた地下のアトリエだけ。
(そうだ、あの扉は見覚えがある)
見上げれば、固く閉じられた古ぼけた木製の扉。
そこである疑問に気づく。
「なんでこんな地下で扉も閉まっているのに、オレには見えているんだ?」
まったく明かりのない部屋が昼間のようにはっきり見えている。
「先生……。そうだ、先生は!!」
禁じられた地下の大きな作業台に寝かされていた自分の状況からして、悪い予感しかしない。
病は?ワクチンは?先生は?
目をさましたアンディは上半身になにも着ておらず半裸の状態だったが構わず地下を飛び出す。
「先生っ!!」
堅い扉を体当たりして出た先には、何も残されていなかった。
「なんだ、これ……」
比喩でもなく、本当に何もなくなっていた。
アトリエも、家も、村そのものが。
あるのはほっかりあいた荒れ地と焦げた地面。
ところどころに建物の残骸である木片が転がっていたが、それだけだ。
「なんなんだよこれは!!」
叫んだところで答える者などいない。
「先生! ハンク! デイヴ! ジェーン!」
生き残っていたはずの思いつく限りの名を呼ぶが、むなしく山に響く。
「そんな、こんな馬鹿な」
死病に侵されていたが確かに村はここにあったはずだ。
(みんなはどこに? 先生は? 助かったのか?)
その時ハッと、地下のテーブルになにか置いてあったのを見たのを思い出し、急いで暗い部屋に戻る。
「手紙っ!?」
置いてあったのは赤い宝玉を埋め込んだ二つの銀の腕輪と一通の手紙。
そこに書かれていたのは到底受け入れられない残酷な現実だった。

『アンディ。お前がこれを読んでいるということは私の実験は成功したのだな。

これが良いとこなのか悪いことなのかはわからないが、私はお前が生きていてくれて嬉しいよ。

お前が発病して倒れた翌日、国の役人が来て村に火をつけていった。

理由は、賢いお前ならわかるだろう。

私も発病してしまった。もう何もかも間に合わない。

だけどせめて、お前だけは、お前だけは助けたかった。

愚かな私を許してくれとは言わない。ただ、生きて欲しい。もっと世界を見て欲しかった。

私の研究の成果のひとつでもある腕輪を置いておく。それを両腕にはめれば力は抑えられるはずだ。

世界を見なさい、アンドリュー。

世界は素晴らしい。           モナ・クレイトン』

「実験? 研究の成果? これだけじゃなんのことか、わかりませんよ。先生……」
ぽとりと一粒の涙が震える手紙に落ち、文字を滲ませる。
「わからない、わかりたくない」
本当はわかっている。
長く一緒に住んでいたのだ。ずっと見ていたのだ。
モナは地下で合成獣(キメラ)研究をしていた。理由は知らない。
いつか必ず話してくれるだろうと、見せてくれるだろうと信じていたから時々ほのめかしはしたものの追及したことはなかった。
そして、ウィルスは人細胞にだけ寄生し害を及ぼす。
つまり、人で無くなってしまえばいい。
国は病から村を救うのではなく、病ごと村を消し去る選択をした。
なにもかもが最悪で残酷な結果を辿ったのだ。

「オレはあんたと一緒に死にたかったのに!!」

手紙を握りしめるアンディの手は鱗で覆われ、鋭い爪が生えていた。








「便利なのかなんなのかわからん体だよな」
鏡の前で腕輪を外すと、ゆっくりと額が盛り上がり二本の角が生え、瞳が爬虫類のそれになる。
腕と足が赤い鱗に覆われて爪が厚く尖り、牙が生える。
それはとても自然に変異し、とくに痛みなど伴うこともなく行われた。
魔力を解放すれば翼だって生えて空も飛べる。
「服破れるからしないけど」
今のアンディは人と竜の合成獣(キメラ)だった。
しかも竜の特性の方が強く、姿はあの時から少しも変わっていない。
倒れたあの日、19歳の誕生日から。
再び腕輪を嵌めると角も牙も鱗も体の中へ消えてゆく。
ただ、人の姿に戻るだけではなく、腕輪の魔法玉の副作用で人としての魔力や力も抑えられてしまうのが難点だ。
それを補うために武器をボウガンに変えたり宝玉に魔力を蓄積する術を覚えた。
「世界は素晴らしい……か。100年彷徨って、やっとオレも少しだけ、そう思えてきましたよ」
無情な判断をくだした国を、人を、憎んで憎んで、未だに許すことは出来ないけれど。
師の面影を持つ少女に出会い、似たように虐げられた経験を持つ自称妖精の笑顔を見れるこの街は、なかなか気に入っている。
「さて、続きやるか」
最後に一度大きく伸びをして、アンディは作業台に戻った。








『オレを過去に戻してくれ』
洞窟に潜む銀狼に彼は願う。
『戻っても、過去は変わらない。あなたが何をしようとそうなるように歴史は動く。変えられるのは未来だけ』
『あっそ。じゃあいいや。邪魔したな』
数年がかりの望みをあっさり捨てて去ろうとする男を、今度は銀狼が呼び止めた。
『待ちなさい。あなたは、これからどうするのですか?』
『どうするって。どうするかな。とりあえず世界を見て、飽きたら人に戻る研究でもするよ』
『私と契約しませんか?』
『契約?』
『あなたは錬金術師でしょう? 私たちマナは錬金術師と契約し、助ける立場にあります』
『そういえばそうだっけ』
師の錬金術師にマナが居なかったので興味が無く、そのことに関してはすっかり忘れていた。
『オレと契約したいの?』
『あなたの時が動く瞬間を、見てみたい』
『よくわからないけど、これも運命なのかもな』
オレ、運命って奴は信じることにしてるんだと、赤毛の青年は時のマナに手をさしのべた。






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